Updated:2011/9/20

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有限会社 創発マネジメント研究所
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新しい介護スタイルOASIS(天理秀時著、文芸社)を2009年6月に上梓しました。
  注記:天理秀時はペンネームです

日刊工業新聞(水曜日)に「診断士の目」で投稿
掲載日:2010.4.28、2010.05.12、2010.7.28、2010.8.4、2010.8.18

この度の東北地方太平洋沖地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

被災地の一日も早い復興を祈念致します。

緊急開催
【リスク対応型ISO9001内部監査員養成研修】


 今回の地震で多くの経営者が地震の直接被害もさることながら、その後に発生した津波や原発事故に伴う電力事情の悪化などの影響の大きさに、ほとんどの経営者がリスクマネジメントの重要性について痛感したことと思います。

 弊社では、今回のような重大な経営リスクに対応するための選択肢のひとつとして従来の内部監査員養成研修を充実させ発展させた【リスク対応型ISO9001内部監査員養成研修】を企画しました。

 私もISOコンサルタントとして、特にISMSでは事業継続リスクアセスメントで地震などの自然災害について事業継続計画でその対応を支援する立場ですが、今回のような計画停電にまで至るリスクについては想定しておらず、比較的短期に復旧する前提での内容が大半でした。ISOコンサルタントとして認識の甘さを痛感した次第です。そして、今回の震災を教訓に企業活動のリスクを少しでも軽減し、迅速かつ効果的な対応策はないものかと模索した結果、ISO9001認証取得企業であれば、不測事態のキーマンとしての役割を担う、業務プロセスに通じた内部監査員を養成することが効果的ではないか考えるに至りました。リスク対応としてのISOは、情報セキュリティの認証規格であるISO27001が存在しますが、あくまで情報セキュリティの一環ととしての事業継続計画になり、実効性にやや疑問が残ります。
 不測事態の対応として一般的にはコンテンジェンシープランが策定されます。このプラン、通常は実行されることがありません。従って、不測事態が発生するとこのプランが発動され実行されることになるのですが、多くは機能しないのが現状です。人間、いきなり見たこともない計画を実行しろと言われても対応できないのです。このために、定期的に訓練を行って不測事態に備えるのです。防災訓練がその例ですが、防災には防災のプロ(常に訓練を積み重ねている)が誘導しますので問題ありませんが、企業活動の場合はそうはいきません。通常の業務に精通した人材はいくらでも存在しますが、不測事態の業務に精通した人材など皆無だからです。年に1回程度の訓練で対応できないのです。このことが企業活動において不測事態の対応を難しくしているのです。
 そのための対策として、デュアルプロセスの導入が効果的と考えています。このデュアルプロセスですが、一般的にはワークシェアリングでペアを組んで業務を遂行する場合の2重プロセスとして捉えられていますがここで導入しようとしているデュアルプロセスは意味が異なります。従来の定常業務プロセス(Pプロセス:プライマリープロセス)に不測事態を想定したプロセス(Sプロセス:セカンダリープロセス)を組み合わせることです。人間には3大機能のひとつとして自律神経(他の機能は内分泌系、免疫系)を持っています。活動時には交換神経が休息時(睡眠時)には副交感神経が機能します。つまり2つの機能がそれぞれの役割で効果的に機能しているのです。デュアルプロセスでは、通常プロセス(定常業務)であるPプロセスだけでなく、Sプロセスも代替(準定常業務)プロセスとして位置付け、ある一定期間適用します。従って、不測事態が発生してPプロセス遂行時であれば速やかにSプロセスに移行し、Sプロセス遂行時であれば、そのまま継続することになります。不測事態に適用されるプロセスを定常化すれば人間対応可能となるのです。
 このデュアルプロセスですが、ISOマネジメントシステムの中でプロセスアプローチの考え方が導入され、業務改善を目的としているISO9001(QMS)に組み込むことがが最も有効に機能するものと考えられます。つまり、QMSにおけるこのデュアルプロセスを導入又は考慮した運用により、リスクに強い企業体質を目指すのです。このためには、運用のキーマンである内部監査員に対してデュアルプロセスを含めたリスクマネジメントをベースとする「リスク対応型内部監査員」としての役割を担うことが重要になります。通常の業務はPプロセスですがSプロセスの適用範囲を一般従業員まで拡大すると業務に混乱を及ぼす恐れがあります。そこでSプロセスの適用範囲を内部監査員に限定して、リスク対応の週熟度を高めたリスク対応専門集団(リスク対応型内部監査員)へと変貌させるのです。そして内部監査時にはリスク対応型内部監査員として、社内へのリスク対応への周知・啓発活動の伝道師としての役割も担うことになります。内部監査員であれば、他部門の業務プロセスについてもある程度精通します。Sプロセス適用時には、様々なリスクを想定して実践することでリスクの重要性や及ぼす影響等についての週熟度が高まります。そしてSプロセスから見えてくる様々なPプロセスの課題に対する業務改善も期待できます。このリスク対応型内部監査員は、不測事態(非常時)のクライスク(クライシスとリスクを合わせた造語です)マネジメントセンターとして迅速かつ影響を最小限に食い止める機能を果たすことになります。もちろんISO9001の認証を取得していなくても、プロセスアプローチの考え方で業務を見直してデュアルプロセスを構築すれば同様の効果が期待できます。

 今回の地震で改めて認識したのが、サプライチェーンマネジメントのリスクです。多くの自動車工場が操業を停止しています。地震とは関係のない工場でも部品供給に支障が出て操業できなくなっているのです。これは中越沖地震でも発生しました。あるエンジン部品の工場が被災し多くの自動車メーカのエンジン生産が停止に追い込まれ、サプライチェーンの脆弱性を露呈したのです。生産性の向上、在庫の削減など効率化を追い求めて多くの業態でサプライチーンが構築されています。このことは、災害等の制約条件が生じるとサプライチェーンそのものが停止することになります。これは、制約条件とは直接無関係な企業にまで影響を及ぼすことを意味します。つまり、遠隔地に合って地震とは無関係の企業であっても自動車工場の操業が停止すれば、自社の生産も止まることになります。これを回避するためにはリスク分散としてマルチサプライチェーン化の考え方が重要となります。この課題は、内部監査員の範疇ではなく経営戦略で取扱い経営者の課題ではありますが、リスク対応型内部監査員として十分認識しておくことも必要です。


日程:セミナープログラム参照
受講料金:16,800円(税込み)/人
開催場所:調整中
定員:16名
特典:補講(QMSにデュアルプロセス取り込むコツ)1時間
    QMS運用無料相談(1社30分程度)、事前に相談内容をお知らせください
申込方法:メールで必要事項(会社名、住所、電話番号、代表者名、受講人数、メールアドレス)を
     ご連絡ください。
その他:講師派遣も承っています。受講生30名まで、派遣料420,000円(税込み)/2日間
     (31名以上の場合は、別途御見積りとなります。)
     内部監査員資格保有者についての「リスク対応型ISO9001内部監査員スキルアップ研修
     (1日間)」及び「デュアルプロセス構築セミナー」についても開催します。

 震災の被害に目を向けることも重要ですが、企業経営者として事業を安定させ復興へ向けての活動も更に重要です。過去を振り返るだけでなく悲しみを乗り越えた明日(未来)への活動が経営者に求められている責務であると考えます。

「強いものが生き残るとは限らない。
         賢いものが生き残るとは限らない。
                 変化するものだけが生き残る」
                               (ダーウィン)

◆更新履歴◆

   コラム           (2011.04.13)
   コラム           (2011.04.11)
   コラム           (2011.04.06)
   コラム           (2011.04.04)
◆お知らせ◆

  顧客対応研修追加      (2001.05.20)
  技術者のため研修追加    (2011.04.28)
  コラム第十回追加      (2011.04.13)
  コラム第九回追加      (2011.04.11)
  スキルアップ研修追加    (2011.03.29)
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